文芸

村山由佳『風よ、あらしよ』は今の時代に読むべき一冊

伊藤野枝が主人公の評伝小説であり、評価の分かれるむずかしいテーマに果敢に挑み、史実を丹念に調べられた上に、小説としても感動的な仕上がりになっている。NHKの大河ドラマになりそうな圧倒的な物語を紡いだ村山由佳には心から敬意を表して、いつまでもい…

虚構と現実のバランス。吉田修一「湖の女たち」(新潮社)

「パークライフ」から吉田修一さんのファンである。もちろん、全部の作品を好きなわけではないが、ストーリーの仕掛けや、人物や背景の描写など、大好きである。新刊が書店にあると買い求めるのだから、僕は立派にファンだといえると思う。 さて「湖の女たち…

小説『カーニバルは終わらない(草原ニャンケ)』電子書籍で出版してみました 

先月の終わりにやっとamazon kindleで自作の小説を出版できました。お金はかかっていないから「自費出版」とは違う。「自己出版」というそうな。20年前に入院したときに手慰みで書いたやつです。某文芸誌の新人賞にこれを送ってみたら予選までは通ったから自…

夢ネタ。紗倉まな『春、死なん』(講談社)を読んで。

ブログを開いてみました。やり方もよくわからない。 とりあえず、今朝の夢ネタ。 僕は死刑場で順番を待っていた。手錠も腰縄もなくて、刑務官も隣に立っているけれど、威圧や暴力もなくて、すごく普通な空気感。いよいよ次が僕の番。小さなコルトの拳銃で、…